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アーツマたちばな

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レジュメ草稿:いれずみ(文身)とアーツマネジメント

○いれずみ(文身、刺青、入れ墨)とは
はりの先ではだにきずをつけ、墨(スミ)や朱(シュ)などで模様や文字をかくもの(かいたもの)。からだにほりものをすること。ほりもの。tattoo。
身体装飾(身体加工を含む)の一つ

○「文」漢語林
(1)①あや。模様。かざり。いろどり。外見の美。外面的修飾。⇔質。②あらわれ。現象。③すじ。④のり。法律。礼儀。⑤もじ。⑥ことば。⑦ことばをつづって、まとまった意味を表すもの。文章。⑧ふみ。⑨学問。芸術。道徳文化。⇔武。「人文」⑩よい。美しい。みやびやか。⑪仁徳
(2)①かざる ァ)美しくする ィ)うわべをかざる
   ②いれずみをする

(語源)象形。 人の胸を開いて、そこに入れ墨の模様を書くさまにかたどり、模様・あやの意味を表す。

○ アーツの種類
A)(身体)装飾としてのアーツ:装飾芸術、応用芸術の一つ。ジャンル的にはデザインと彫刻の合体

B)習俗としてある場合は限界芸術(だれでもアーツ)的な部分と、
近世以降は、彫り物師という職人芸的側面がある。
そのほか、刑罰としての入れ墨

○ 歴史          (参考書:吉岡郁夫『いれずみ〈文身〉の人類学』雄山閣、1996)
縄文土偶 ?
弥生時代の文身
魏志倭人伝(3世紀)「男子は大小となく、皆黥面文身す。」
魔よけ(水中事故を防ぐ) 龍
古墳時代の文身
 古事記、日本書紀(みおもとろげ) 黥(めさききざむ):目の周り 海人族
 埴輪
江戸時代の文身
 寛永時代ごろ(1624~1644) 男女「七さま命」 男色同士 命がけ「命を捨ててことに当たる」
 宝暦(1751~1764)以降 絵画的文身の流行 遊び人や悪人へ
 大化の改新以降絶えていた墨刑が、八代将軍吉宗のときに復活(1718)軽い盗みの刑「入墨のうえ追放」

○ 民俗
アイヌの文身 オランダ人の記録(1618.1621) 江戸時代からの禁止令 女性の成人儀礼か
琉球の文身 針突(はずき) 女性中心 1899年に禁止令(1928年まで隠れて施術されていたという) 
他所に連れて行かれないため、成仏できないから、成女・既婚のしるし、女性の象徴、装飾、慣習。
台湾高山族(高砂族)の文身
ミクロネシアの文身

○言葉
「刺青」は、明治時代以降の言葉
tattooは、タヒチ語のtatau(本来の意味は、right straight skilled):1869年、ジェームズ・クックが太平洋を航海したときはじめてきき、使用した。

○文身の分類(谷奥喜平によるもの)
① 風俗習慣としての文身
② 強制的文身 刑罰、盟約、団体目印
③ 意匠的文身
④ 誇示的文身 人にみせるためのもの
⑤ 性愛的文身
⑥ 信仰的文身
⑦ 記銘的文身 追憶、記憶、改心、改悛
⑧ 美容的文身 眉毛、生え際、つけ黒子など
⑨ 医療的文身 白斑治療、血液型、止血点の指示
by kogurearts | 2005-09-14 12:52 | 文化政策のプレザンス