アーツマたちばな

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11/8にパネラーになる、その原稿書き

きっと、その頃には違うことを思っているはずで、つまり
この原稿はいましか意味がないかも知れないので、また、コーディネーターさんと話し合ってかわるかも知れないけれど、一応。書いた記念に。

第44回全国高等学校美術、工芸教育研究大会 (きれいなホームページが出来ている
パネルディスカッション「高校の美術、工芸教育へ望むこと」
わたしは、11/8の11時からということのようです。
その予稿集の原稿だと思います。
事務局に一応届けると、大学のPRになるように、ということだった。
そういう視点はまるでなかったので、びっくり。できるかな?



氏名 小暮宣雄(こぐれのぶお)
所属 京都橘大学教授
①プロフィール
1955年大阪市生。78年東京大学法学部卒。同年自治省入省。自治大臣企画室(ふるさと創生)、国土庁、通産省などの国の機関と、自治体―徳島市(財政部長)、福岡県(教育庁財務課長、総務部地方課長)など―を往復し、主に地域づくりや文化政策を23年間担当した後、2001年度に京都橘女子大学文化政策学部教員となる。

アーツマネジメント担当として、アーツ(実演・視覚芸術はじめ応用芸術なども含まれた芸術)の地域環境づくり、アーツと社会を結ぶ仕事の体験的ワークショップなどを行う。また、「観衆のプロ」としての鑑賞とそのレビューも仕事(「こぐれ日乗」http://kogure.exblog.jp/など参照)。著作は『アーツマネジメントみち』(晃陽書房)ほか。


②高校の美術、工芸教育へ望むこと
一言で言えば、アーツの鑑賞機会づくり。これを出来るだけ多く、しかも多様に・・・。

アーツマネージャーとは、アーツを通じて、人びとの「うっとり」体験をつくる人を言います。創作者とは違って、まず、観衆(観客、聴衆)の代弁者として創作者に向かい、潜在的な観衆をいかに浮かび上がらせるかが仕事です。したがって、(音楽でも演劇ダンスでも美術でも工芸デザインでも映画でもいいのですが)アーツに自分がうっとりした経験がないとなれません。

うっとりさせるアーツそのものを創るアーティストとともに、観衆にうっとりする機会・場を創る、いまの社会的な自分を忘れさせるぐらいの「めくるめく」状態を創ること(チクセントミハイの「フロー体験」に近い状態)。つまりアーツマネージャーは、これでうっとりしたいなあという気持ちを人びとに起こしてもらって、自分たちが企画した展覧会に足を運んでもらうことや制作したお芝居の公演に来てもらうことを毎日考えています。高校でもアーツマネージャーの卵がきっといるはずですし、アーツマネージャー教育でなくても、美術の時間に、アーツを創る醍醐味、そしてアーツを鑑賞する悦び、そして、裏方で企画し実施し反省会をするマネジメント的なプロセスの体験などから、多様なアーツが世間にはあるということを伝えて欲しいのです。

テレビに出ているものだけが、駅などに大広告できる有名でお金を稼げるミュージカルやレジャーランドだけが、アーツでも「うっとり」の種でもない。そのことを少しでも理解した高校生が誕生したらどんなに嬉しいことでしょう。さらに、お金や地位(外部的報酬)だけで人は仕事をしているのでは必ずしもないということ、それ自身に夢中になって仕事をする(内部的報酬のためにする)ことがアーツの現場では伝えられるのではないかと思っています。

情けないことに、一握りのメジャー劇団、有名美術家、売っ子音楽家、賞を得たアニメーション作家以外は日本にいらないような状況が一方にあります。大学においても自分など実に無力で敗北しつづけていますが、アーツが自分の目で判断するメディアリテラシーになると信じて実践しています。少しでも有名好き、ブランド信仰、マスコミ依存から逃れた若者が大学にやってきてくれること。ほとんどいまの日本に期待感はありませんが、でも、やっぱりまだ絶望するのは早いのかとも思って、毎日アーツの種、ワークショップの環境を探しています。
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by kogurearts | 2007-05-22 12:57 | 雑記