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大塚英志『この国はいま自分たちの憲法を新しく作れる状況にない』より

インパクション」150号のインタビュー大塚英志『この国はいま自分たちの憲法を新しく作れる状況にない』より抜粋:
 ニートとか正直、知ったこっちゃないです。ニートって団塊ジュニアでしょ、「世代」でいっちゃえば。全共闘世代の人たちは、批判して壊していくだけで、じゃあ次に何を作るのかという一番肝心なことを担わないまま多数派としての恩恵と戦後の経済の恩恵を受けていて、自分たちの二世たちに、今度は自分たちが獲得した既得権を相続させようとしている一番タチの悪い保守ですよね。たとえば小泉改革を支持したのだって、「改憲」OKっていうのも、団塊世代とそのジュニアの若者たちじゃないですか。・・・・
 ニート、フリーター対策なんて、国をあげて若者たちを甘やかそうという政策でしょ。・・・でも、団塊親子は「小さな政府」でいい、って小泉に投票したんでしょ?あとアメリカ型の市場現地でいこうって。だったらニートに余計な予算は使わず、フリーターだって、安い使い捨て労働力という点で、そういう社会では、むしろコスト的にいいわけでしょ?そういう「改革」支持して、見せかけで「ニート」憂いてるってギマンですよ。p21




 なんで、そんな「若者」に上の世代が気、使う必要があるんですか。・・意欲がない人におんぶに抱っこで働かせたところでしょうがない。何で、イラクの人質に「自己責任」とかいって、「ニート」に「自己責任」って言わないのか。・・・・奨学金だけで卒業できる、卒業したあと、ひたすら本人が働けるようになったら、ローンで返せばいい。アメリカの教育ローンはそういうローンですよね。だけど今の日本の奨学金制度の中に奨学金だけで食べられるような奨学金はない。そういったものを充実していく。しかも、一定の成績とか、シンプルなことだけで、国籍も一切問わないみたいな、そういったものを用意しておく。・・すごく簡単なことで、たいしたコストの投下にならないのに、それはやらないで、「ニート」の「意欲」について税金使っても無駄です。p27
ニートに税金を使うことを予算化しているのだろうか。びっくり。なるほど、05年度から色々やりだしているんですねえ

大塚氏の話し振りはこの冊子には珍しいリズムなので、それだけで目を引く。「憲法というのは他者との共存ですからね。自分と違う人たちとどうやって生きていったらいいのかというときのルール作りと、その上で出来上がった国家という社会を自分たちがどうやって律していくのか、それが二つのポイントです」。国民とか日本人とか愛国者とかではなく、主権者や有権者として、「私」を国家とのかかわりで定義すること。

「私」が国家をすきかきらいかということはおいといて、国家の運用と暴走に対して責任を負わないといけない、と。そう考えると、いまの改憲に対する立ち位置がちょっと見えてくる気がします。

改憲論議の前に、法律なのに皇室法という名前にしなかったため、ちょっと憲法的な(戦前と同じ名前なのでそれも帝国憲法風な)ニュアンスを漂わせてしまっている皇室典範改定論議~まあ、ある出来事で中断気味でしょうが~は、改憲をスムーズにしてしまおうという策略ではなかったかと個人的には思っています。恐れ(畏れってホントは書かなくちゃいけないのでしょうが、畏れというよりは恐れ、あるいは怖れ、懼れ)多いことなので国民の議論はしないままに改定しちゃって、同じようにメディア規制・自粛などをかませて、すすすーっと一括改憲へ持ち込もうという策略ですね。
by kogurearts | 2006-02-10 13:26 | 雑記